プロフィール
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ひつじ先生プロファイル: 1984年9月19日
0型/おとめ座 左利き 188cm 北フランスリール出身 né à Lille ひつじ Mouton Ghislain ムートン ジスラン [資格]
2006年リール第三大学日本語学科学士
2007年リール第三大学院Master1日本語学科日本文学専攻修士
2011年琉球大学院人文社会科学研究科言語コミュニケーション専攻修士 2013年フランス国民教育省認定フランス語資格試験DELF/DALF面接試験管
[主な経歴]
2004〜2005年:山梨県レストランロックで修業(ウエイター)
2008〜現在:大好きな沖縄でフランス語教師を務める(フランス語レッスン、翻訳、通訳、留学サポートなど) 2012~現在:沖縄国際大学、フランス語非常勤講師 2015~現在:琉球大学、フランス語非常勤講師
[趣味]
1989〜1991:水泳
1991〜2001:柔道
2001〜2008:バスケ
2008〜2013:社交ダンス
2013〜現在:バスケ、マラソン
[好きなもの]
飲み物:ワイン、ラム酒とベルギービール
食べ物:carré d'agneau, steak frites, pâté de campagne
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2016年11月15日

漱石と猫、そしてフランス語訳

皆さん、こんにちは!

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
(急に、すみません おすまし

このセリフを聞いたことがない日本人はいないでしょう。

言うまでもなく、夏目漱石の『吾輩は猫である』
(以下『猫』という)の最初のセリフですね。

漱石は、日本文学において、非常に
偉大な存在になっています。

フランスでは三島由紀夫や川端康成、
いま大流行の村上春樹ほど
人気が高いとは言えませんが、
ほぼ全作がフランス語に翻訳されています。

『猫』も翻訳されていますが、
前述のセリフがどういう風に訳されたかを
挙げてみたいと思いまーす!

漱石と猫、そしてフランス語訳


"Je suis un chat. Je n'ai pas encore de nom."

原文で初めて読む時は、
「猫が吾輩みたいな偉そうな言葉を
使うって、何なんだよ!」 と感じるのが
普通のリアクションだと思うのですが、
フランス語訳ではどうでしょう。

"Je suis un chat."

ごく普通のフランス語ですね。
自己紹介の定番、
「Je suis français」 (私はフランス人です)や
「Je suis musicien」(私はミュージシャンです)
と同じで、全く偉そうには聞こえません。

(フランス語で喋ると何言っても
偉そうに聞こえると思う方はいるかもしれませんが、
それは別としてね! ニコニコ

実はこの「吾輩」のニュアンスを
フランス語で表すのが困難だというよりも
無理に近いといっても過言ではありません。

日本語にたくさんある「わたし」、「僕」、
「俺」、「わたくし」、「我」、「吾輩」などに対して、
フランス語には「Je」しかないのです。

『猫』の翻訳家が、、翻訳上で伝えられなかった
「吾輩」のニュアンス、猫がその言葉を使う滑稽さを
脚注で説明しています。

言い換えれば、どうしても翻訳できない、
説明でしか伝えられないものもある
ということになりますね。

時々、好きなフランス小説の
日本語訳を見て、原文と比べたりしますが、
やはり、それを何回も思ったことがあります。

その経験を通して、思うのは、
新しい言語を習うことで、小説や詩を
原文で読むことができ、翻訳で失くされた
ニュアンスと言葉の曖昧さに初めて気づく。

話が長くなって、ごめんなさい。

では、

À bientôt !


P.S. : 英語版は 「I am a cat」になっていますね!

漱石と猫、そしてフランス語訳


Bonne semaine à tous et à bientôt !


ひつじ

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